慈恵 季刊誌
季刊誌 慈恵より 読者 K S さんよりの
投稿の紹介をさせていただきます。
猫に引かれて八幡神社
調布市 K S
今から10年以上も前の話ですが、伏見稲荷に御参りに行ったとき
あったことを 投稿させていただきます。
当時小生も まだ 健脚だったので、初午も終わり稲荷詣でも
行こうかと東伏見駅から ぶらりと 歩きはじめました。
平日の昼下がりなので 通行する人も少なく のんびりと
商店街をぬけて 参道に向かいました。ようやっと鳥居が
見えるあたりに差し掛かると、首輪もしていない やや
大柄な白い猫が左手に箱座りをしています。なんとなく
目が合ったところ、すっと立ち上がり こちらへ歩いてきます。
小生も膝をまげて蹲踞の姿勢をとりますと その膝の上にのり、
顔を覗き込むようにして こちらをじい-っと見つめまして、
やおら 膝から降りると先達をするかのごとく少し先を歩いては
振り返り、又 少し先を歩いては振り返り、間違いなく
ついてくるのを確認している様子で ゆったりと進んでいきました。
ちょっと面白いかと 思い始めていた小生は、牛に引かれて
善光寺ならぬ、猫に引かれて伏見稲荷かと、ほくそえみながら
後をついてゆきました。さらに案内をするように鳥居をくぐり、
社殿の前で立ち止まり 待っています。小生が御参りを済ませると
又 少し先へ 歩きはじめます。奥の八幡神社へ むかうようです。
坂をあがり 見晴らしの良い陽だまり に 着きました。
そこで仰向けに寝て 左右に ごろごろと 転がるようにすると
満足した様子で 座っています。こちらへ御参りに誘ったかと思い、
手を合わせて 振り返ると どこへともなく 消えてしまいました。
白い猫なので 結構目立ちますが、どうしても見当たりません。
何かの縁だったのかと思い、坂を下ると 先ほど猫が消えたあたりが
崖になっていて、その急斜面に先ほどの白い猫が こちらを
見ていました。一督すると 崖を上がって行き 見えなくなりました。
昔から白い生き物は、ご神獣として、又は、神の使いとして信仰の
対象にもなっていました。傍目からみれば ちよっと変わった猫との
遭遇ですが、小生は不思議な体験として 今も鮮烈に 記憶しています。
その年は何事もなく 平穏に過ごした 良い年でした。
慈恵院
http://xn--9ckk6cu90pipcms7agkbk9z4r7d2swb.jp/
住所:〒183-0001 東京都府中市浅間町2-15-1
TEL:0120-121-940
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇